導入することで、大きな所得税の減税を謳っているイデコ(iDeCo)。
今回はそのメリットについて具体的な数字を出しながら、一体いくら受け取れるのか?どれぐらい増えるのか?について触れていきたいと思います。
今回は第2回になりますので、第1回はこちらです。
イデコの入り口 節税について具体的に見ていきます。
イデコの出口戦略を考える前に、入り口でどれだけのメリットがあるのかを確認しておく必要があります。
ここでの説明は、イデコを取り扱っている証券会社などのサイトであれば大抵掲載されていることなのでざくざく進めたいと思います。
参考:https://mst.monex.co.jp/mst/servlet/ITS/ideco/IDecoGuestTop
イデコの入り口
イデコの入り口はまず、イデコ口座を証券会社や銀行などに開くことです。
そこで重要なのがどこにイデコ口座を開くことかで変わってくる口座管理コスト。
長期の運用になるので見た目は少ないコストでも、時間を掛ければどんどん降り積もっていきます。
コストは低ければ低いほど良。
このコストについてですが、イデコ口座を取り扱っている有名な会社として、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行などから選んでおけばほぼ同額です。運用する信託報酬もかなり低く設定してあるため、それほど変わりません。
続いて、イデコのメリットでもある、預けたお金の運用先をどこにするか?ということを決めていきます。
日本の株だったり世界の株だったり、国債だったり、定期預金だったりと様々。
これら運用先に寄って信託報酬が変わっていきますので、長期運用においてこの点も見逃せません。
選び方についてはまた後の記事にしたいと思います。
このイデコ口座を開設するに当たって1~2ヶ月ぐらいかかるそうなので、その間に運用先を考えておいてもいいかなと思います。
ちなみにイデコ口座は一人に対して一つだけ。たくさん作ろうとしても、大元の管轄が年金機構なのでばれます。最初がとても重要です。
イデコの加入、掛け金には条件がある。
そしてその運用先に預けるお金を決める必要がありますが、イデコの入り口は職業によっても違います。今回は一括りにできる公務員(企業人でも退職金があり、企業の確定拠出年金に入っている方も同様)を対象に考えてみたいと思います。
個人事業主などですと6万8,000円/月だったり、専業主婦(夫)でも2万3,000円/月までかけられたりします。
今回の公務員の場合、掛け金は月に12,000円まで。年間で144,000円です。
この掛け金を年率3%で運用することを前提とします。
リスクがあるので減ることもあるかもしれませんが、まぁ、長期運用という時間が味方してくれます。老後の資産でもあるので、安全に運用できればというところです。
ですが、今選べる投資信託の中で10年以上の長期運用をしている物をいくつかピックアップして、長期運用でシミュレーションしたところ、おおよそ1.5倍ぐらいにはなりました。
中には3倍になったり、逆に1.2倍ぐらいにしかならなかったものもありましたが、大抵掛け金の1.5~2倍ぐらいにありました。
マイナスになったものはありませんでした。
年率3%というのは20年間の運用で、元金の1.3倍程度です。
無理なく、適度にリスクを取った場合を想定しています。
オススメはインデックスファンドです。信託報酬が安いのが魅力です。
参考:モーニングスター
公務員がイデコを初めたら、どれだけ増える?(予想)
それでは具体的にシミュレーションをしていきます。
職業は公務員。40歳からイデコ開始。
年144,000円 1回振込で20年間イデコに加入します。
運用先の成績は年3%。
信託報酬は0.22%。
管理コストは年金機構のみ。証券会社は諸々の手数料が無料のところを選択しました。
所得税は20%(年収330万~695万円の方)住民税は10%とします。
参考:国税庁HP所得税の税率
とした場合。
運用益が年率3%で699,000円+
所得税の非課税分が634,000円+
合算すると1,333,000円となります。
イデコ口座に入れたお金は2,880,000円(14万4千×20年)なのでおおよそ元金の146%の4,213,000円になりました。
このお金を60歳以降に受け取ることができます。
ちなみに。
運用益が0%まで落ち込んだ場合、手数料などでマイナスにはなってしまいますが、非課税分の益があるので最終的に掛け金の15%ほどプラスになりそうです。
年率-2%まで落ち込むと非課税分まで取り込んでもマイナスになってしまいます。
そうはならないようにしたいところです。
闇深い イデコの受け取り方 出口略戦はどうする?
ここまでは預けたお金が増えていくハッピーなイデコライフ。
もらえるお金が増え、かつ節税になるのであれば、余裕資金をイデコに回したほうが、定期預金よりもかなり良い感じです。
ですが、ここからがイデコの闇。
深淵を覗き込む時、深淵もまたこちら側を覗き込んでいるのだ ニーチェ
と有名な言葉がありますが、まさにそのとおりで(何を言っているのかわからないw)
複雑な年金制度が次々に襲ってきます。
イデコにかかる税金
イデコにかかる税金とは、60歳以降に受け取った時にかかります。無税ではありません。
一つずつ要点を整理していきますと。
退職金のように一時金としてもらうか。
年金のように定期的にもらうか。
もらい方で税金のかかり方が大きく違います。
また人ぞれぞれのところでは、
退職金はいくらぐらいもらえるか
退職金の金額とイデコのもらい方は税金に関係してきます。
年金はいつからもらうか。
現在では65歳以上でもらうことが推奨されていますが、60歳からでももらえます。ですが金額の多寡は生じます。
年金はいくらもらえるか。
年金は所得扱いになりますが、国民年金、厚生年金、共済年金など人によってもらえる金額が違います。
その金額によって税金もかかってきます。
個人年金に加入しているか?
また任意ではありますが、個人で保険会社の年金に入っている場合もあります。
60歳以降の運用はどうするか?
イデコの自体は60歳で終わりますが、そのまま運用するか、引き出すかで運用管理手数料などが変わります。
60歳以降働き続けるか。
所得税は累進課税なので働き方に寄っては税金が変わってきます。
各項目の違いでかかる税金がかなり違ってきますので、じっくり見ていきます。
複雑怪奇な年金制度
それぞれの項目で色々な計算があり、また条件分岐も多くなってきます。
どの受け取り方が一番税金が安くなるのか。
はっきり言ってしまうと。一概にこう!とは言えません。
65歳で年金受け取るけど、イデコは一時金として一部もらって、残りは年金にしたい。
老後と言ってもまだ働きたいし、いつからいつまで働いて、退職後の年間の所得が200万円だから、所得税率が10%?
そういえば、住民税もかかるよね。
退職金も一部は一括にして残りは年金として受け取りたいから、この年の所得がこれぐらいだから、税率が10%になって。。。控除金額が97500円。。。
え?年金って受け取る時に手数料かかるの?え?イデコも?じゃぁ、ある程度まとめてもらったほうが良いのかな?
そうすると年間所得が増えて税金も変わってくるし。。。
安定的な生活費をもらうためには税金を払うのは致し方ないけど、リタイヤ後の生活っていくら必要なの?
ん?奥さん?3つ年下だよ。
え”。もらい始められる時期が違うのか。確かにそうだよな。
そうなるとどうなるの???
どれもこれも説明しようとすると、ただただ複雑な計算式が続きます。
ここでは、一つの詳しい例(公務員)で計算したいと思います。
一つ流れを作ってしまえば、後は自分に合わせて数値を変えたり、条件を追加したりする程度です。
次回第三回は、40歳公務員の退職金から具体的に説明していきたいと思います。
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